最近、地震が頻繁に起きているので、非常時の水や食料の見直しを行いました。あわせて、万一の備えとして、Jackery社ポータブル電源 708を購入しました。
ポータブル電源と発電機の長所と短所
非常用電源としてポータブル電源や自家発電気を検討されている方も多いと思いますが、ポータブル電源と発電機の長所と短所は、大きなところは以下の点だと思います。
ポータブル電源の長所
室内でも使用できる
ガソリンやガスを燃料とする発電機は、当然燃料を燃やした際に排気ガスが生じます。当然、室内のような場所での使用は一酸化炭素が発生する可能性があるので、使用できません。
ポータブル電源の場合はもちろん放熱ファンが回るので、無音ではないですが、音も小さく室内で問題なく使用できます。
供給される電気の質が良いこと
発電機を使用の場合、インバータを搭載している発電機の電気でなければ、パソコンや家電品への電気の供給ができません。
実は電気にも質があって、質の良い電気を供給しなければパソコンやスマホ、家電製品の故障につながる可能性があります。
燃料で発電する発電機の場合、インバータ機能を有している発電機などで電子機器の接続が問題ない機種もありますが、そうでない発電機で家電品などをつなげた場合、故障につながる可能性がありますので気を付けてください。
各発電機の取り扱い説明書に記されていますので、きちんと確認してから機器を接続するようにしましょう。
Jackery社のポータブル電源の場合、問題なく、そうした機器にも接続できます。
接続できる機器については、各発電機の取り扱い説明書に記されていますので、きちんと確認してから機器を接続するようにしてください。
充電する手段が豊富
このJackery社の充電には
① 家庭用コンセントに接続しての充電
② ソーラーパネル(別売り)を接続しての充電
③ 車内のシガーソケットからの充電
④ 発電機からの充電
の4つの充電手段があります。
私がポータブル電源を購入するのに特に重視したのは、この充電手段が多いということです。
特に、
・ ソーラーパネルから充電できること
・ 車の電源から充電できること
の2点は、非常時に大変役立つと思いました。
停電期間が少し続いても、ソーラーパネルからの充電、もしくは車からの充電で電気を賄えるので、様々な対応ができるのではないかと考えたので、まずはポータブル電源からの購入を決めました。
ポータブル電源の短所
使用できる電源の容量が小さい
冷蔵庫やエアコンのように比較的大きい電力量を使用する機器には対応できません。
バッテリーに充電した電気を使用するので、使用できる電力には、制限があります。
使用電力が許容の電流値を超えるような機器では、安全装置が働いて、電源が落ちてしまいます。許容電流は、機器のバッテリーの容量によって変わりますが、後述するいくつかの機器では、やはり使用電力が大きく、作動する前に落ちてしまいました。
冷蔵庫やエアコンのような消費電力の大きなものを非常時に使えるようにということを想定するなら、燃料による発電機を準備するしかないと思います。
ちなみに電力消費量の大きい家電品は
炊飯器
冷蔵庫
電子レンジ、オーブンレンジ
電気ポット
トースター
ドライヤー
電気ヒーター
などです。熱を発するタイプの家電は総じて消費電力は大きいです。
ポータブル電源も大容量タイプなら電力消費の大きい家電をつけるものもあります。
大容量タイプは、大きく、重くなりますが、「しっかりとした非常時の対策に」と考えるなら、こうした大容量タイプもお奨めです。
寒冷地のでの使用ができない
-10度以下の寒冷地では、バッテリーの特性上、定格通りに動作しないことがあります。
燃料による発電機は、燃料にもよりますが、そうした条件でも使用できる機器があります。
バッテリーの寿命がある。多少のメンテナンスが必要
バッテリーは消耗品なので、数年単位で交換必要があります。スマホなども最初は、使用できる時間が長くても年数とともにバッテリーの減りが早くなるように、同様のリチウムイオンバッテリーを使用しているので、同様のことが起こります。
同社の説明では、
「電池の寿命を測る指標として「サイクル」というのがあり、この機種では、サイクル500回にて80%の容量を保証しております。」
「1サイクルは0%の状態から満タンの100%まで充電して、その電気が0%になるまで放電し切った状態を指します」
引用:Jackery社ホームページより(外部リンク)
ということです。
ざっくりいうと、しっかりと放電、充電を繰り返せば、電池の充電を500回しても、80%の容量は使用できるくらいの耐用度があるということなので、私のような週に1-2回の使用程度なら、5年間くらいは不自由なく使用できるのではないかと考えています。
(充電する際の電池の残量などの条件によって、または後述するようなパススルー充電の頻度によっては、さらに劣化が進むこともあるかもしれませんが。)
キャンプや現場作業で頻繁に使って、3日に一回くらい使用した場合でも、3-4年は使える計算になりますね。非常用に準備して、使用頻度もさらに低い場合なら、十分ではないでしょうか?
メンテナンスとしては、月に一回充電してやる必要があります。
電池の交換サービスについて
電池が交換できれば、もっと長い期間使えるのでは、と考える方もおられると思います。電池の交換サービスについては、Jackery社は現在検討中のことですが、ポータブル電源の内部の電子部品の故障なども考えると5-7年で製品寿命を迎えると考えた方が普通かもしれません。
私個人としては、非常用電源なので、5-7年単位で買い替えしておくのが無難かなと考えています。
発電機の長所と短所
ガソリンやガスなどで発電する機器の長所と短所です。発電機にするかポータブル電源にするかを考える際には、しっかり確認したほうが良いと思います。
発電機の長所
発電できる電力量が大きい
冷蔵庫や炊飯器、エアコンなどの電力消費量の大きい機器は、ポータブル電源では対応できません。
非常時に冷蔵庫や炊飯器などの消費電力の大きいものを動かす必要のある場合は、こうした発電機が必要になります。
家電品と接続する場合、発電機が家電品の使用が可能かどうかをしっかり確認しましょう。
長時間での使用が可能
燃料さえ補給できれば、発電機は長時間の使用が可能です。ポータブル電源は、充電した電力を消費してしまうと、再び充電が必要になります。
ソーラーパネルで充電しながらの電源の使用は、可能ですが、発電量が小さいためいろいろな機器を接続しての長時間使用は現実的に難しいと思います。
寒冷地でも使用できる
ポータブル電源の短所でも説明しましたが、リチウムイオン電池の特性上、-10度以下で利用すると電池残量が急激に減少する可能性があります。
ガソリンによる発電機などの場合、低温下でも使用可能です。ただ、ガス缶による発電機など低温下での影響を受けるものもありますので、各発電機の仕様は、購入する前に確認したほうが良いと思います。
発電機の短所
発電機の機種によっては家電品などが使えない
上でも述べたように、発電される電気にも質みたいなものがあり、インバータ搭載のタイプの発電機でなければ、家電品やIT機器などに使用することができません。
家電品に電源を供給可能な発電機もありますので、購入の際は、しっかり確認してから購入しましょう。
室内での使用ができない
ガソリンやガスなどの燃料を燃やして発電するものなので、充分に換気のできる場所での使用が必須になってきます。一般家庭の室内での使用は、一酸化炭素が発生する可能性があるので、使用はできません。
音が大きい
モーターが回るという構造上、どうしても音が大きくなります。
機種にもよりますが、約70dB以上の音は、出てしまうようです。
ちなみに70dBは、掃除機や電車のベル程度の音になり、結構大きな音になります。
重い
発電機は、軽量タイプのものでも20kgの重量があります。
ポータブル電源の場合、最大容量のものでも20kg、小さいものになると5㎏程度の重さで持ち運びしやすいです。(小さいものは、電源容量も小さくなりますが。)
簡便性ではポータブル電源。非常時の本格的な電源確保なら発電機
発電機は、収納にも場所をとるし、ガソリンなどの燃料も常時備蓄するのは難しいです。
ポータブル電源は、いざというときにすぐに使えますが、使える電源容量は発電機と比べるとかなり小さいです。
どのような用途を想定するかによって、何を選ぶかは変わってきますが、業務用や事業所で使用するなら、発電機、一般家庭ならまずはポータブル電源からという考えもあると思います。
非常時の備えとして、まずはポータブル電源からと私は考えて、Jackery社の電源を購入しました。
「情報を入手する手段だけは、しっかり確保しておきたい。」
という思いが強かったのが一番の決め手でしたが、実際購入して、以下に紹介しますように、いろいろと使えることが分かったので、購入して本当に良かったと思います。
こんなことに使用できました
停電などの非常時にどこまで使えるかあれこれ試しましたので、紹介します。
全てJackery社のポータブル電源 708で試したものです。
情報家電関係
スマホの充電やパソコンの使用はもちろんですが、それら以外にもこんな使い方できました。
テレビ、レコーダ、ブースター電源
停電の際に、32型の液晶テレビくらいなら問題なく、見ることができます。
レコーダとテレビを両方見ても4-5時間は問題なく視聴できると思います。
停電時にテレビが映らないのは、結構寂しいもので、テレビが映るだけでも心強いですよね。
ブースターの電源が切れたら、その家のテレビはすべて見れなくなります。
普段から、ブースターがどこにあるかは確認しておいた方が良いと思います。
ブースターがよくある場所
・風呂場、脱衣所の天井裏
・テレビ端子のコンセント周り
・天井の点検口の上
・押入れの天井裏
などです。
ブースターの電源(写真はMASPRO社製の商品)
電波の発信基地から遠い家庭の多くのアンテナにブースターはつけられています。(ついていない家庭もあります。)
自宅のアンテナにブースターがついているかわからない方は、本ホームページの
アンテナの種類と構成についての”アンテナの構成”でわかりやすい写真を載せています。参考にして下さい。
テレビの場所とブースターの電源の場所から離れている家庭も多いと思うので、延長コードも準備しておくとよいと思います。
インターネット用モデム、WI-FI機器
停電してもモデムやWi-fi機器の電源を供給できれば、インターネットが使えます。テレビ同様、インターネットが見れるだけでも、安心できますよね。
暑さ、寒さ対策
電気毛布、こたつ
強にして、約10時間使えました。夜中の寒い時期に使えれば助かります。
こたつも同様に使用可能でした。
扇風機
エアコンがつかえなくても、扇風機だけでもつかえれば少しは暑さをしのげます。
ガス給湯器
ガス給湯器を使用している家庭では、水道やガスが止まっていなくても、停電すると給湯器が使用できなくなるので、お湯が出なくなります。ポータブル電源で給湯器を使いましたが、問題なく使用できました。
外気温 25℃でシャワーを15分ほど使って、電源容量が7%ほど減っただけでした。これなら、夏場にシャワーを浴びるくらいなら、3-4人家族でも問題なく使えますよね。
使えなかったもの
石油ファンヒーター
風を送るためのモーターが回るだけなので使えるかと思いましたが、着火時に大きな起動電流がかかるので、起動する前に、過電流でバッテリーの保護装置が働いてしまいました。
通常の消費電力も14Wと小さいので、動くことを期待したのですが、起動時の消費電力が、650Wあるので、起動時に過電流に耐え切れず、動きませんでした。残念です。
今回は、ポータブル電源 708で試しましたが、これよりも容量の大きいものなら使用できると思います。
熱源確保などは、選択肢が多いほうが良い
2011年以降、太陽光発電の需要が増えていったころ、関西のガス会社が「太陽光発電は、ガスと相性がよい」というCMをテレビで積極的に流していました。具体的に何がいいかの説明がなかったCMであまりピンとこなかったのですが(多分、当時は売電価格が高かったので、発電した電気はなるべく売って、自家使用の熱は、ガスで賄いましょうということなのだと思いますが。)、私なりの解釈で、熱源はいろいろな選択肢を確保した方が良いということなのだと考えました。
台風や地震だけでなく、それ以外の原因でも、停電や断水などが起こることがあります。
停電したが、ガスと水は使える、また、電気は来ているがガスが使えないなど。
いろいろな非常時を想定して、あらかじめ対策をしておくのが大事だと思います。
すでに水や食料、カセットコンロなどは、7-10日くらいは、使用できるくらいの備蓄は、以前からしていましたが、次の選択として、私はポータブル電源の購入を決めました。
今回はポータブル電源を選びましたが、余裕ができれば、その次は、発電機の購入を検討しています。
ポータブル電源だけでなく、発電機やカセットガスなど、非常時の備えとして、選択肢は多いほうが、心強いですよね。
これさえあればというよりも、あれもこれもあるという方が、行動の選択肢が増えると思います。
地震などの備えに、日ごろから少しずつでも、できるところからでもしておくのが大事だと思い、コツコツ備えを充実させていってます。