アンテナは一般的に故障しなければ、7年から12年くらいは普通に使えます。(BSアンテナの寿命はもう少し短いかもしれません。地上波のアンテナは運が良ければ20年以上使えることもあります。)
経年劣化による故障や強風や台風でアンテナが倒れた時に建て替えや修理を考えるときに以下の点を併せて考えてみてはいかがでしょうか。
ちなみに落雷や台風が原因のアンテナの故障なら火災保険で補償されることがあります。
本ホームページのこちらのページをご確認ください。
台風や大雨による被害が火災保険で補償されることもある
アンテナの立替、修理費用
アンテナを設置するうえで重要な要素を占めるのはやはり費用でないかと思います。
アンテナの建て替え費用は住んでいる地域と取り付ける場所で変わってきます。
住んでいる地域
地上デジタル放送を受信するのに必要なアンテナは、その地域がどこの基地局から電波を受信するかにより、必要なアンテナ機器の種類が違ってきます。
基地局から近い(強電界) → 電波が強いので最小限のアンテナ機器で受信可能
基地局から遠い(弱電界) → 電波が弱いので受信した信号を増幅する機器など必要
基地局が近くて電波が強い地域を強電界地域、弱い地域を弱電界地域といいますが、強電界地域のアンテナの方が素子の少ないアンテナで受信できるため機器単価そのものが安くて済みます。素子の少ないというのは、ざっくりとした意味では小さいアンテナという考えをしていただいていいと思います。
併せて、基地局が遠いと受信のための必要な機器(電波を増幅するための機器など)が増えるので結果として費用が増える形になります。
近くにアンテナの基地局がある場合は少ないアンテナ機器の構成で十分受信できるのに対し、基地局が遠い場合受ける電波が弱いので増幅器などの機器を増やさないといけなくなるので結果として機器の構成が増える → 結果として費用が膨らむということになります。
住んでいる地域の最寄りの基地局はどこかというのは一般社団法人 放送サービス高度化推進協会(A-PAB)社のホームページで確認できます。
(外部参考リンク)はこちら → https://tv-area.jp/#/ (“住所・郵便番号から探す”で郵便番号を入力すると最寄りの地域の基地局が確認できます。)
取り付ける場所
アンテナ工事で工事費用は大きな割合を占めます。高所作業は危険を伴うのでそれも含めアンテナを建てる場所によっては費用が追加でプラスになる場合もあります。取付工事の費用が増えるかどうかは以下がポイントになります。
大屋根に取り付けるかどうか
大屋根に取り付ける場合、大屋根で作業できる職人が必要になるため工事費が割高になる可能性があります。傾斜のある大屋根で作業するのはある程度の経験が必要になります。大屋根の作業でも以下のような場所は作業が難しいためさらに追加費用が掛かる場合があります。
建物が3階以上の大屋根
工事屋さんなどが持っているはしごは、だいたい2階の大屋根に届く程度のはしごで、3階用のさらに長いはしごを所有する業者になると数はさらに減ります。3階用向けのはしごを持っていても住宅の立地によっては大屋根に届かないこともあります。そうした場所では高所作業車(電信柱などを工事する車です)や足場を組む必要があり、作業車の費用や作業者のオペレーターの人件費、足場を組む費用が必要なためさらに工事費用は上がることになります。
屋根勾配の大きい(急な)屋根
屋根の勾配の険しい(角度がきつい)大屋根は作業がしづらいだけでなく、作業に危険が伴います。あまりにも屋根の角度がきつい場合アンテナ工事を断る業者もいます。結果として高所作業車を使うことになったりすることもあります。
スレート屋根で長年塗装していない屋根
スレート屋根はだいたいメンテナンスで定期的(だいたい、7-10年に一度)に塗装する必要があります。これを怠ると屋根としての防水性能が劣化したり、スレート屋根そのものが紫外線などで耐久力が落ちてくるのです。
メンテナンスを長年していない屋根はスレート材がボロボロになっていて、体重をかけるとスレート材が割れたりする可能性もあります。こうなると、とても作業できる状態ではなくなってしまいます。この状態では追加費用の前に作業不可もしくは屋根を修繕してからということになってしまいます。
傷んだスレート屋根(イメージ)
塗装が剥げてきた後、材質そのものが劣化していきます。
スレート屋根はメンテナンスせず放置しておくと、表面が劣化して砂のような小さい粒が浮いてきます。こうなると滑りやすい砂の上で作業するようなもので、屋根作業の危険性が高くなり、作業を断る業者も出てきます。また、ここまでくると塗料がのらなくなるので塗装すらできない状態になってしまうこともあります。最終的には、屋根の張替えをするしかないということになってきますので、スレート屋根は、定期的にメンテナンスすることをお勧めします。
工事費用が安く済むところ
足場のしっかりしているところは、作業がやりやすいので作業費が安くつく場合があります。
ベランダ
ベランダにアンテナポールを建てている場合、アンテナ作業のためにはしごを準備したりする必要もなく、作業の危険度も大幅に減りますので工事費用は大きく抑えられます。工事の見積りをとっても、作業の容易性を業者に説明して値引きの交渉の材料にもできると思います。
また、壁面につけるタイプのアンテナが良く売れるようになってきています。このタイプをベランダの壁面などに設置できるなら台風などの影響も受けにくく、故障の際の交換費用もベランダで作業できるところなら安く抑えることができるはずです。
陸屋根(平らな屋根)
ベランダ同様、上ってしまえば作業の危険性は大屋根よりずっと低いです陸屋根に簡単に上がれるなら(陸屋根への階段が備えついているなど)、ベランダ同様、値引きの交渉の材料に使えると思います。
大屋根作業は、工事屋さんでも得手、不得手があるようです。得意で自信のある人はどんどん仕事を受けますが、あまり好きでない方もおられて、大屋根作業の仕事は受けたら、自分で登らず、外注に出すという方も結構おられます。大屋根工事は、危険が伴うだけでなく、大屋根に上りにくい現場だと作業工数が大きく増えるし、夏場は太陽の照り返しで高温になるし、雨が降ったら足元が滑りやすくなったりで、なかなか大変です。大屋根作業というのは業者にとってもある意味、面倒な作業なのです。(屋根作業が好きな職人さんもおられますので、そうした職人さんにあたったら”ラッキー”と思ってください。)
アンテナの費用見積について
具体的な費用ですが、やはり専門業者に見積もってもらう必要があります。
多くの場合、実際に現場を確認してからの見積もりになると思います。
アンテナ工事をどこに依頼するかですが、一般的には
地元の工務店
電気工事店
町の電気屋さん
家電量販店
アンテナ工事専門業者
住宅メーカー
ホームセンター
などで対応をしています。
こうした業者から見積を取ると自分の家でアンテナを設置するなら、
どれくらいの費用がかかるかの確認をできると思いますし、
見積の際に自分の家は工事が簡単かどうかの説明を受けることもできるはずです。
アンテナ以外の選択肢
自宅の住まいではアンテナの設置費用が高くなるという場合は、アンテナを設置せずにテレビを見るということも選択肢と検討してはいかがでしょうか?
ケーブルテレビやインターネット回線を利用してテレビを見る方が年々増えています。
自前のアンテナとインターネット回線を利用してテレビを見ることの長所と短所を以下に示します。
自前のアンテナの長所と短所
長所
アンテナを設置する費用のみ月々の支払いはなし
短所
強風や落雷などで設置して2-3年でも修理の必要がでてくることも
台風後の設置工事は、業者が混みあっていて待たされることも
ケーブルテレビや光回線からのアンテナ受信の長所と短所
長所
アンテナの設置費用が掛からない
台風などによりアンテナ故障の心配はいらない
信号の受信レベルは悪天候による悪影響を受けにくい
短所
毎月の支払費用が発生する
モデムの不具合や、回線に障害が出ると見れなくなることがある
導入するサービスによっては視聴や録画のために追加で機器を置く必要がある。
サービス提供地域でなければ契約できない。
料金や見ることのできるチャンネル、設置しないといけない機器の構成は、導入する会社ごとに違いますので、しっかり確認してください。
設置費用が高くつく≒設置やメンテナンスに手間がかかる
ということ考えるとアンテナの設置費用が
安い場合 → 自前のアンテナでも、交換費用と手間も大きくかからない。
高くつく場合 → 光回線やケーブルテレビの方が安心で結果的にお得かも。
こうしたことも、検討材料に入れてみてはいかがでしょうか?